便秘の食事療法
食物繊維といっても水溶性と非水溶性があります。
自分の便の状態から足りない食物繊維を摂取するようしましょう。
- 2019.05.21 Tuesday
- 便秘について
- 11:20
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- by 院長
「おもてなしの心と工夫」で医療と接客サービスの両立を目指す、静岡市葵区の肛門科・内視鏡検査・消化器外科・一般内科・エコー専門外来・小児科クリニックの院長の Blog です。
食物繊維といっても水溶性と非水溶性があります。
自分の便の状態から足りない食物繊維を摂取するようしましょう。
近年、便秘の治療薬は大きく進化しています。
大腸ではなく小腸に働きかける新しい機序のリンゼス、アミティーザ。
胆汁酸の再吸収を阻害することで、水分分泌と大腸運動を促進するグーフィス。
グーフィスは世界初の作用機序を持ち、実際に使用してみると患者さんから好評です。
便秘治療の選択肢が増えたのは大変有り難いことです。
もう一つの下剤の代表が塩類下剤で浸透圧を利用した下剤になります。
「酸化マグネシウム」がこれに当たり、便を軟らかくすることで排便を容易にします。
ただし腸の動きを良くする働きはないので、便が柔らかいけど出ない方には不向きです。
「モビコール」というポリエチレングリコール(PEG)を主成分とした浸透圧性下剤もでてきています。
PEGは欧米のガイドラインで慢性便秘症治療薬として推薦されており、2歳から使用可能です。
下剤の代表に刺激性下剤があります。
市販のコ−ラックや武田漢方便秘薬がこれにあたり、病院でもよく処方されます。
大変よく効くので、長年便秘に悩んでいる方は大抵服用しています。
ただこの薬には「依存」と「耐性」があり、だんだん効かなくなってきます。
大腸の粘膜も黒くなり、腸管の動きが悪くなっていきます。
お若い方は長期で服用しないようしていただきたいです。
本当に便が出ないときだけ、オンデマンドで助けてもらうという使用をお勧めします。
直腸性便秘は便意を我慢しすぎたり、浣腸を乱用することで起こります。
便が直腸まで運ばれてきているのに、便意が脳に伝わりません。
高齢の方や寝たきりの方に多いです。
最近では温水便座の洗浄刺激で排便をする方にも起こります。
痙攣性便秘はストレスや環境変化により、自律神経が乱れて腸の運動がひきつり便の通りが悪くなり起こります。
下剤の乱用で腸が過剰に運動することでも発症します。
下痢と便秘を繰り返すことがあり、下剤よりも生活習慣の改善が第一です。
弛緩性便秘は大腸の蠕動が弱くなり、便を押し出すことができなくなって起こります。
高齢の方や、出産回数の多い女性に多くみられます。
ダイエットや水分不足も原因となります。
便が硬い方は便を柔らかくする薬を使います。
便が柔らかい方は腸の動きをよくする薬を使うこともあります。
便秘が慢性になると体と心にいろいろ問題がでてきます。
腹部膨満感、腹痛、食欲低下だけでなく
「痔」「肌荒れ」「イライラ」の原因になります。
便秘の原因は主に3タイプ。
次回から便秘の原因について説明していきます。
便秘症ガイドライン2017に、
便秘は「本来体外に排出すべき糞便を、十分量かつ快適に排出できない状態」
と定義されています。
たとえ毎日排便があっても、残便感があってスッキリ出きらない方は便秘です。
逆に1週間に数回の排便であってもお腹が張ることなく、楽にスッキリ出ていれば便秘ではありません。
食事を控えてしまうと、便の量が少なくなりどうしてもスッキリ出ません。
お米や野菜など水分を多く含んだ食事をしっかり食べることが大切です。
各種保険適用
診療科: 肛門科・内視鏡検査・消化器外科・一般内科・エコー専門外来・小児科
医師:大久保雅之 大久保眞二 大久保由美子